不動産投資で節税できる。その実情は?
『不動産投資は、節税になります!』
区分収益物件のセールストークでよく使われているようです。
不動産投資における税金対策のうち、税金の還付金を受けるための申告は、ポピュラーなものでしょう。
所得税は個人の場合、不動産投資が赤字の際、給与などから源泉徴収されていた額のうち赤字分が還付されます。給与所得者は予め所得税が引かれているので、税金の還付が受けられる。それを”節税効果”として、販売会社が売り込みをかけるわけです。
個人に対し、法人あるいは法人成りのうえで不動産投資とした場合にも、所得税の節税が可能です。個人の所得税は累進課税のため、一定以上の所得水準になると、法人の税率のほうが安くなるので、節税効果が高まります。
所得税に関しては、赤字額が還付されます。この赤字には経費が含まれますが、何を経費として計上するのか?が重要ポイントです。
個人的な経験則を絡めると、税理士によっては、かなり広く経費算入を推す先生もいます。不動産投資セミナーの参加費や交通費も計上しましょう、という先生もいますが、私の先生はそれには応じませんでした。理由は、運営に必要と判断しづらいから。基本的には、物件の維持管理に必要なもの、火災保険料や管理会社への報酬、物件修繕費など、と考えておけば無難でしょう。
次なるポイントとして、「減価償却費」があります。
その意味や計上方法については、他サイトに詳細がありますので、割愛。
要は、赤字にならなければ節税効果を得られません。還付を目当てに赤字に苦しんでは、本末転倒ですので、還付金を目当てとしたセールスは最初から積極的な検討に値しないように感じます。節税は、儲かっている人で、高額の税金に辟易するようになってから、専門家の知識を借りて行えばいい話ではないでしょうか。