相談担当者のつぶやき①
「家賃保証」
魅力的な言葉ですよね。入居有無にかかわらず、一定の収入が約束されているのですから。借入をして収益物件を購入した場合、ローン支払いに対する家賃収入がプラスでないと、たちまち持ち出しになってしまいます。
そこで、収益物件を売りたい不動産会社は考えます。「高額物件をどうやって売り、売り上げを伸ばすか」。
みなさんは、ご自身が所有していらっしゃる収益物件の全部事項証明書(登記簿謄本)をじっくり眺めたことはあるでしょうか?スルガ銀行融資物件に関して、一棟もの物件の多くの前所有者は法人です。しかも購入して数年内が多い。法人が収益物件を買う場合、頭金などはほとんど差し入れしませんので、抵当権設定時の債務額が概ね購入額に近い、と考えてもいいでしょう。また、地方にある、鉄骨造の築古物件も目立ちます。
が、”転売”価格は、元所有者が受けた融資額の2倍~3倍がほとんどです。前所有者と現所有者の転売時に多くの利益が抜かれているのであろう、と推察できます。それを当面の「家賃保証」の原資にしているのではないか。つまり、オーナーは、自分の借金から家賃保証を受けていた、と考えています。
家賃保証がなくなり残されるのは、空室対策と修繕の必要な築古物件に対する、4.5%前後の1~数億円の借金です。
そこで思うのです。スルガ銀行の融資担当者は、銀行の資本をわざと棄損させているとしか思えない、これほどの無茶な融資を続けてきたのか。モラルハザードが蔓延している、では片づけられそうにありません。